2008年4月26日土曜日

象の背中

「象の背中」を見ました。(ずいぶん前の話だけど)


自分の弟は小説を読んでいたので映画を見に行ってました。感想を聞いてみると感動したよと言っていたし、予告編を見る限り面白そうだし弟が感動したならきっと自分は号泣間違いなし!と思って覚悟して1人で見ました。



妻と息子と娘、家族4人で幸せな生活を過ごしてきた48歳の中堅不動産会社部長の藤山幸弘はある日、医者から肺ガンを宣告されます。しかもそれは末期ガンで余命は半年だったのでした…



という話で、普通なら自分は絶対に感動して泣いてしまったに違いありません。だけど、上手く感情移入できませんでした。
病気の事を心配させたくないから奥さんに黙って息子だけに話し、できるだけ普通の生活を送る。その気持ちはわかりますし、でもイライラしちゃってどうしようもなくて八つ当たりするのも心痛くなります。そして生きていたいから病院で死にたくないと治療はうけずに自分が会いたかった人に会いにいく。初恋の人や、喧嘩して別れたままの同級生と再会して仲直りするというのも感動なんです。が!自分なら会った相手にガンだと言わないまま別れると思うんですよね。だって自分がガンになってあと半年の命だから会いに来たよだなんて、相手にとって辛くないですか?戸惑うし何にも出来ないってわかって苦しめるだけだと思うんですよ。会って、顔が見れて、楽しい時間を過ごせればそれで幸せなんじゃないでしょうか?なのに藤山は会った人達に自分のガンについて普通に語る。それが気になってしまいました。


しかも最後らへんでホスピスに入るのですが、そこで奥さんが少しでも長生きしてほしくて一生懸命看病しているのに愛人に電話して顔が見たいから会いに来てくれと言うんです。それってちょっと奥さんに対して失礼じゃないですか?奥さんも愛していて、とても感謝しているけど、愛人も好きで大切で守ってあげたかったんだ~って何て都合がいいの?って思います。

何かちょっと自分の考えとズレているんですよねぇ。。。世の中これが普通なのかな?でも、やっぱり最後は感動してしまうんですよね。役所広司さんの熱演も素晴らしいです。死んでしまうけれど、こういう暖かい時間があれば幸せだなぁって思いました。なんて事ない毎日だけど、こんな素敵だったんだなって感じますし。だけど…あの応援は必要ですか?これで全国大会なのか?と思うとちょっと笑っちゃったんですけど。。。そこがまたもったいないです。




主演の役所広司さんが凄かったです。病気を宣告されて最初は特に変わったような様子を見せず明るくふるまいますが、だんだん死ぬという恐怖に襲われてイライラする。そして後半はどんどん本当にやつれていくんですよ。ガンというのが見ただけで納得できるぐらい(ちょっと顔色はやりすぎかなって思う時があるけど)ビックリします。それに表情も良いですね。最後の海辺のシーンの涙目の表情は、その顔を見てるだけでうるっときちゃいました。この熱演が素晴らしいのに、なぜ?なぜこんな内容なのでしょう(笑)今井美樹さんは綺麗で優しく頼りになる素敵な奥さんなんです。仕事ばかりで家庭をそんなに顧みなかったはずなのに、それもちゃんと理解し家庭を守る。絵にかいたような理想の奥さんなのに…なぜ浮気をするのかわかりません。贅沢すぎますよ~

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