2008年4月24日木曜日

キサラギ

「キサラギ」を見ました。

レンタルしてきた映画をとりあえず見終わって、どうしようかなと考えてたら時間があるから新作映画でも見よう!という事になり、いろんな所で好評をえているこの映画を選んでみました。



自殺した売れないアイドル如月ミキの1周忌に集まったファンサイト仲間の家元、スネーク、安男、オダユージ、いちご娘の5人。最初は穏やかに思い出話に花を咲かせていましたが、1人がミキの死が自殺ではなかったのではないか?と疑問を出してから物語は意外な方向へ展開していくのでした…という話でビックリするぐらい細かい所までちゃんと考えられていて一体どういう事なの?という目が離せない展開に釘付けでした。最初はね、ほんとほのぼのしてて楽しそうなんですよね。これがコレクションですか~とか、こんな写真見た事ない!と大盛り上がり。そしたら写真を見ている1人が泣きだしちゃってしんみりした所に本当に自殺したのか?という疑問が浮かび上がるわけです。ここからいろんな秘密が一つ一つ解きあかされます。



なぜ、この追悼会が開かれたのか、ここに集まった5人は誰なのか、そしてミキを殺した真犯人は誰なのか…となれば普通シリアスになりそうですよね。みんなが語っている部屋の雰囲気も雷のせいで薄暗くなるし。犯人はお前だ~!となってもその後のツッコミが面白くて思わず、そこかよ!と言いたくなり笑ってしまうんです。犯人よりもまずミキちゃんのレアものや貴重な話が優先な明るさが好きでした。ストーカーで部屋に入った~となっても、どんな部屋だった?どんな匂いだった?と聞くのが笑えました。こういう風に謎を解こうとするストーリーなら、誰が犯人でどういう動機でどんな殺し方をしたのか?なんて予想してしまいますが、それを考えさせないぐらい早くて細かくて驚く展開なので、えぇ!あなたが!と思って誰かの鋭いツッコミに笑い、えぇ!そうだったの!と思って誰かのおかしな行動に笑う。シリアスの裏には笑いがあるのが凄いですよね。そして最後には自分も一緒になって考えてました。こういう過程で…こうなって…みたいな。

みんなも納得。自分も納得。楽しかったなぁ。。。それに最後はほんのちょっと切なくなるんですよね。もちろん笑いは絶えないけれど、彼女や彼女の事をずっと応援し続けていた5人の気持ちを考えるとね。たどりついた結論は今となっては真実かどうかはわからないけど、みんな一生懸命だったんだな、だから幸せだったんじゃないかと思うと、この追悼会を開いてよかったねと心から思えました。


主演は5人かもしれませんが、話をひっぱるのは小栗旬くんです。今や若手ナンバー1と言われてますが…小栗くんのどこがそんなに良いの?それはきっと王子様キャラを演じてたからなんでしょうね。この役は一応冷静にみんなをしきったり、フォローして普通の良い人なのが面白かったです。いじける姿も可愛かったし。
でも個人的には同じ若手俳優なら小出恵介くんが良かったなぁ。最初からテンション高くて強そうな所に乗っかる調子のよさが楽しい。誰かに便乗するのはやり過ぎると嫌な奴になりますが小出くんには憎めない可愛さがありました。小出くんは暗く何か考えこむ役よりこんな役のほうがむいてるのでは?と思いました。「ノダメ」もハジケてますからね。
ユースケ・サンタマリアは久しぶりに真面目な役を見たんですが、このほんわかモードをピリッとした緊張感に包む冷静で逆らえなさそうなツッコミがいいです。自分もどちらかというと楽しくやろうよ!なタイプなので気をつけたいと思いました(笑)
塚地武雅はほんと空気読もうね!ってちょいウザい感じで、トイレに行ってばかりで終わってしまうのかと思ってたら予想外な展開に。
香川照之さんは最高です。登場シーンから凄く怪しい。それからいちご娘って…カチューシャって…無職って…と次々明らかになる正体に爆笑。小出くんが気持ち悪いって言ってたけど香川さん大好きな自分としてはそれがツボに入って可笑しいし…可愛かったよ(笑)どんなシリアスになっても髭はやしているおじさんが可愛いカチューシャつけて怯えている姿みたらフフって笑っちゃうありがたい存在感でした。 とにかくこの作品は文句なしでお勧めできるものだと思いました!

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