2008年6月30日月曜日

赤ひげ

「赤ひげ」をみた。

やっと黒澤監督と三船さんの最後の映画を見る事にした。なんだか終わってしまうのが嫌で延ばしのばしにしてたけど、やっぱり見たいしね。3時間あって途中で5分程の休憩!が入るんだけど全然飽きない。もっとずっと見ていたいと思ってしまった。う~んなんていい話なんだ!


前半は病気のために亡くなってしまう人の話。病気の事よりもこの人がなぜこうなってしまったのか、どういう辛い事があったのかを知る。生きる事について悲しくなってしまうんだけど、赤ひげ先生の優しさや若い医者の成長を見て目をそらさず、ちゃんと受け止めて頑張らなければと思わされました。
後半は助けた少女おとよの心の変化と訳あって泥棒をしてしまう男の子長坊の話。二人ともとても可哀相で。。。おとよが少しずつ心を開いてお茶碗を買うシーンは感動したし、明るく元気になってほんとに嬉しかった。先生を好きになってしまうという気持ちもすごくわかる!初めて心から優しくされて人を信じる事が出来たんだもん。長坊の話は泣いてしまったよ。まだ7歳なのにあんなにしっかりして家族を支えるなんて(涙)明らかにこの後が想像出来る別れ話も切なくて。。。終わりも悲しくなくて満足なんですが、かなり個人的な意見を言うと…おとよの恋を実らせてあげたかった~やっぱり将来は長坊とって事なのかな?考えすぎ?


主演は三船敏郎さんだけど、話をひっぱるのは若い医師を演じた加山雄三さんだね。これがかなり好青年な男前ですごくびっくりした!今の加山さんしか見た事なかったからね~ちょっと若大将時代が見たくなった。しかたなく診療所に残っていたのに赤ひげ先生や患者のみなさんと出会っていろんな経験をして少しずつ成長していく姿が若々しくとても素敵でした。
三船さんは存在感ある演技でさすがだね~髭がもじゃっと顔を覆ってるので渋い顔が見れないのが残念だけど声が相変わらずいいなぁ。
いつもの事だけれど、どの俳優さんもみ~んな素晴らしい。大人だけじゃない、子役の子もすごくいいんだよね。黒澤監督の演出力にも感動しました。これで黒澤監督と三船さんの映画はお終いです。ほんとこの何ヶ月間いろんな発見と感動と…たくさんの素晴らしい映画に出会えました。日本映画のよさもあらためて知る事ができました。もっともっと見たかったなぁ。。。

2008年6月29日日曜日

ザ・マジックアワー

「ザ・マジックアワー」を見に行った。

「THE 有頂天ホテル」も映画館に見に行ったし、三谷監督と佐藤浩市さんがいろんな番組に出演してPRしてるので、これは…映画館で見なければ!と思い行ってきました。


街を牛耳るボス・天塩幸之助の愛人である高千穂マリに手を出してしまった手下の備後登は、命を助けてもらうため伝説の殺し屋、デラ富樫を探し出す事になります。しかし幻の殺し屋は簡単に見つかるはずもなく、追い込まれた備後は無名の俳優の村田大樹を騙しデラ富樫を演じさせる…


という話ですごく面白かったです。見終わった後に映画って…ほんと素敵ですね♪って誰かに言いたくなりました(笑)備後が連れ来た俳優の村田という男。俳優としてのプライドがあり、自分なりに努力しているつもりですがパッとする役に出会えずズルズルと俳優生活を続けています。やっと呼ばれた!と思ったら撃たれて死ぬ役だったり、ちょい役でも気にいられようと熱演するとかえって鬱陶しがられる。頑張ってるのに全部裏目にでちゃってるんです。彼の良さをわかってくれるのは撮影スタッフやマネージャーだけなのでした。役を降ろされてる彼を見てると寂しくなってしまうので、う~ん、どうにかならないのか!って思ってしまいます。そんな村田が運命?の役、デラ富樫に出会います。

それまでいろいろ笑えるシーンがあったのですが、ここからはほぼ笑いっぱなし!村田の騙されっぷりが素晴らしく面白いのです。話を聞くと監督(備後)の説明はめちゃくちゃで台本もないアドリブの演技ですし遠くからの撮影と言ってカメラを見せない。とにかく監督がスタート!と言えば演技が始まり、カット!と言うまで演技を続けなければいけません。でも本当に映画を撮影しているわけじゃないとわかっている自分からするとボスに大きい態度で迫るデラ富樫を見ていると殺されないかドキドキします。変な事しなきゃいいけど…って思っているとかな~りオーバーな殺し屋を演じるんです。
とにかくその活躍?でボス達は、こいつは…度胸がある凄い奴だ!とビビってしまい、デラ富樫を正式に雇ってしまうのでした。それからはデラ富樫は大活躍!まだデラを信じきれない部下に武器の取引に連れていかれて銃撃戦に巻き込まれても、撮影だと思っているのでド派手な演出だなぁ!とテンションが上がってしまい銃をバンバン撃って笑いながら大暴れしてしまう。それで部下はやっぱりデラ富樫はスゲェ!助けてくれてありがとう!借りが出来たな…とまたまた勘違い。ますますボスに気に入られてしまうのでした。その後、組織の裏帳簿を持って逃げた会計係を暗殺する事になると、監督もいないのに撮影を始めて病院で大暴れ。もちろん撮影の許可なんておりてないからマネージャーは後始末に苦労するのでした。満足のいく演技が出来るデラ富樫という役に出会えて幸せに思う村田。そんな村田を見て、この人は凄い俳優さんだ!と利用しているつもりが、だんだん尊敬のような気持ちを持ちはじめる備後。マリに逃げよう!って言われても結局戻って来てしまいましたしねぇ。
でもこのウソの撮影がいつまでも続くわけはなく…とうとう村田にバレてしまうのでした。えぇ!やっとそこでかい?と思うんですけど…命が危なくなったんだから仕方ないか。撮影をしていなかった…とショックを受けた村田はホテルを出て帰ろうとします。その前に忘れ物を取りに映画館によるのですが、そこで偶然備後たちが撮影していた映像を見る事になります。
覚悟を決めて戻って来た村田は俳優として最高の演技をするためにスタッフ達を呼んで(みんな喜んで協力する所に村田の人の良さを感じる)脚本を考え、自分達の命を守るためにボスの元へ戻ったマリを取り戻そうとします…
最後はちょっと強引にまとめた感じもします。だってボスはこれから敵対する組織とどうなるかもわかんないし、デラ富樫があんな事で逃げちゃうの?クールで頭のいい殺し屋なはずなのに?おかしいって気づくでしょ?って思うんですけど、なんとなくこれでいいや!って思う楽しさがあるから大丈夫。そんな事?よりも上手くいかなくて悩んでも、自分にとっての誇りとかやりたい事を大事にして頑張り続けていつか人生の「マジックアワー」の瞬間を迎えようよ!っていう気持ちが嬉しくなります。これがこの映画で1番言いたい事なんじゃないかな。それが伝われば充分ですよね。

え~、感想はほとんどデラ富樫こと村田を中心に書きましたが、他にもいろいろ事件は起きていますし、笑いもたくさんあります。だけど自分にとってはこの村田という男が非常に魅力的だったんです。映画が大好きな自分としては、俳優として苦労しながらも諦めずに夢を追いかけ映画を愛し続ける村田の姿勢に憧れました。こんなふうに自分も一生懸命になれたら…と思いますし、ここまで村田を夢中にさせる映画ってやっぱり素晴らしいと思いました。村田だけじゃなくて俳優さんを支えるスタッフの人たちもみんな撮影現場を大事にしているのがヒシヒシと伝わって素敵な気持ちになります。うん、映画最高♪


主演の佐藤浩市さんは素晴らしいです♪最高です♪以前に「スキヤキ~」を見た時に、とぼけた役も上手かったのでコメディだったら渋い見た目とのギャップが凄いだろうなぁ…っと思っていたのですが、予想以上にハマっておりました。
また佐藤さんが普通に演じたら絶対こんな演技はしないでしょ~と思うぐらいオーバーだったり、くさい演技をするんです。これが似合っててねぇ。ほんと1番佐藤さんが笑わせてくれましたよ。でも笑わせるだけじゃなくて、しっかり真面目な所を魅せてくれる。俳優としての誇り、映画に対する愛情。暑苦しい時もあるけど揺るぎなくてめちゃ格好良かったです。
妻夫木くんは胡散臭いねぇ。べとっとした髪型からして胡散臭い。だけどそんな妻夫木くんが結構好きなのです。真面目くんも爽やか青年もたくさん見てきましたから、変な妻夫木くんが見たいんです!なのでボスに殺されそうになってオドオド、マリさんに迫られてドキドキ、村田の暴走を止めようとパニック!になり、結局みんなに振り回されっぱなしの弱い男は凄く楽しめました。
深津絵里さんは、綺麗だけど正直もったいない感じがしましたね。佐藤さんや妻夫木くんと比べるとキャラは薄いし…ちょっと性格悪いよね(笑)だったらもっと女性としての強さを見せてもよかったんじゃないかなと思います。自分なら…なんやかんや言っても協力してくれる綾瀬はるかのほうが良いですしね。
西田敏行さんは一応渋いボスで怖そうですけど、デラ富樫がテーブルに座るとビックリして子犬みたいな目になるのが可笑しかったです。そしてデラ富樫に対するツッコミやちょっとした疑問について聞くタイミングが絶妙で上手いんですよ~同じ事を3回繰り返すシーンでは映画館っていうのを忘れるぐらい大声で笑ってしまいました。
この映画はもう一度映画館に行こうかなって思うぐらい楽しい映画です。是非映画館で!たくさんの人達と大笑いしながら見てほしいなと思いました。

2008年6月26日木曜日

女教授

「女教授」をみた。

前から、一体どんな映画なの?と気になっていました。だって原題が「女教授の隠密な魅力」ですからね。しかも主演は実力派女優のムン・ソリ。今度はどんな役を演じるんだろう?と思ってレンタルを待っていたら…共演のチ・ジニ効果?でいつも全部レンタルされていました。チ・ジニってこんなに人気があるのねぇとビックリです。さすがチャングム!とやっとレンタルが落ち着いたところをゲットしてきました。

「緑のシムチョン21」という環境保護団体の活動家ウンスクは、知性と美貌を兼ね備えた大学教授で周囲の男たちからの求愛が絶えません。そこへ人気漫画家のソッキュが大学の客員教授として赴任し、団体から環境をテーマにした漫画執筆の依頼を受けます。すると急にウンスクの態度が冷たくなりメンバー達はそれはソッキュのせいだと思い込むのですが…

という話で、少し難しかったです。ウンスクという女教授は、自分に自信があって近寄る男性は全員虜にしちゃう!と思っていそうな女性です。
いろんな男性を誘惑して関係をもつ彼女の目的っというか狙いは何なんでしょう?って思ったんですよね。別にお金がほしいわけでもないし(女教授だから十分な稼ぎがある?)愛を求めている…ようにも見えない。ただ、何となく付き合ってウザくなったら別れる。誰も本気にはならない。そんな気がしました。それは過去のある事件のせいなのかなぁ?自分が罪を犯したという罪悪感からそうなってしまう…って考えたんですけど、彼女の気持ちがちゃんと描かれていないので、よくわからないんですよね。

そんな彼女の過去を知っている(というかその事件に関わっていた)ソッキュ。彼が現れる事で自分の過去がバレてしまうんじゃないかと焦るウンスクは、今までみんなに優しくしていたのに急にイライラしだします。そんなウンスクとソッキュの関係に気づいたユ先生が2人の過去を調べて問い詰めるのですが…このユ先生とウンスクの話はなんだか人間の嫌な部分を見せられたって感じがしたんですよね。

ウンスクとソッキュは最後どうなってしまうの?と思ったらアッサリ何もなく別れてしまいました。2度と会わないことでお互い過去を忘れる事が出来る…そう思ったのかもしれません。不思議な事に何となくこの再会があっても2人はそんなに変わらない気がしました。きっと同じような生活が続くでしょう。思うように過去も現在も変えられない。気持ちもね。そんな現実を見せているようでした。


主演のムン・ソリはいつも違う顔を見せてくれるので楽しみにしていました。どっちかっていうとちょいと地味な感じがするのに女教授?と思っていたら、ほんとセクシーになっていてビックリ。そしてバンバン脱いで(たまにここまで脱ぐ必要が?と思うぐらい)女優魂も感じます。
チ・ジニは思ったよりも出演シーンが少なくてビックリしました。どっちかというとプロデューサーのほうが出演シーンもムン・ソリとの絡みも多かったですしね。ウンスクの過去を知っているので物語をかき回す存在なのかと思いきや、彼も彼女とあんまり関わろうとしないですし、関係ないと言いますし。なので彼の気持ちもよくわからなくて2人がどうしたいのかを考えるのが難しかったです。っていうかこの映画自体何が言いたいのかよくわからなかったです(笑)

2008年6月23日月曜日

めがね

「めがね」をみた。


荻上直子監督の映画は「バーバー吉野」「かもめ食堂」も好きなので、すごく楽しみにしていました。みたかったんですけど、結局いけず…友達にはこんな映画を見るなんてくら~いなんて言われましたがレンタルになった所を大喜びでゲットしてきました。

春の兆しが訪れた頃、都会からやってきたタエコはとある海辺の町の空港に降り立ちます。そして民宿「ハマダ」に到着した彼女は一風変わった宿の主人・ユージと愛犬、カキ氷を振舞うサクラやなぜか朝ごはんを食べにきては遅刻する高校教師のハルナといった不思議な人たちと出会う…


という話でなかなか面白かったです。この映画、何があるのかな?とか何が起こるんだろう?とか考えたらいけない気がします。だって何にも起こらないから(笑)ただ、そこに海があって民宿があって不思議な人たちがいる…それだけなんですけどなぜか癒される~という感じがしました。タエコは最初朝起きたら知らない人が隣に座ってたり(これは困る…)ごはんを同じテーブルで一緒に食べたり、朝海辺で行なうメルシー体操(誰がふりつけを考えたんだろう…)を見て都会から1人になりたくて、癒されたくてやってきたのに、かまわないでほしい!と思って一度「ハマダ」を出ます。そしてもう1つの民宿「マリンパレス」に向かうのですが、そこもおかしな民宿でみんなで畑仕事して午後は勉強会…民宿なのに??って思ってしまい、やっぱり「ハマダ」がいい!と戻ることになるんです。戻る途中、タエコはいろいろ考えたんじゃないんでしょうか。民宿の人たちが言っていた“たそがれる”について。

言葉にしないし約束もないけれどなぜか、季節になると自然と戻ってきてみんなでのんびりしながら美味しいご飯をたべたそがれて寝る。それってもしかして理想の生活なのかもしれません。だけど、それは長くは続かない。旅はいつか終わってしまいます。この季節が過ぎればみんな自分の世界に帰っていくんです。そしてまた季節がめぐると集まってくる。また、みんなに会える!そう思えば素敵な旅から現実に戻っても思い出せば癒され、何でも頑張れそうですもんね。あぁ~自分も旅に出たい!けど、自分にとって1番の癒しは映画!なので、映画が見れないとなれば禁断症状が確実に出る!と思います。せめて近くに映画館がある場所がいいです…ってやっぱり自分はたそがれは向いてないのかも(笑)
主演の小林聡美さんは、都会からこの不思議な世界へやってくる戸惑いやおせっかい?をやいてくる人たちに対する態度を見てると、わかる!と感情移入しやすいです。きっと自分もこの「ハマダ」に何にも知らずにやってくるとそうなると思うので。
光石研さんはとても素敵でした!個人的にはこのユージさんの存在だけで癒されましたね。荷物運んでくれない所はえぇ!運ぶっていったのに?と驚いてしまいましたが、なんか…そんなのどうでもよくなってくるというか。まぁ自分で運べばいいか!と思えてくるのが不思議なんです。
もたいまさこさんは、何だこの変なおばちゃんは!と笑ってしまうんですが、考えるとちょっと怖い(笑)何のためにやってくるかもわからないし、お店でカキ氷を売ってるかと思えば代金は何でも良いらしいし(それはありがたいけど…)なぜかこのサクラさんに優しくされるとみんなが羨ましがるんですね。その理由は描かれてないのでわからないんですが、きっともの凄い人なんだろうなっていうのは伝わります。だから彼女がくる季節になるとみんなが集まる。ほんと不思議でした。
あと、遅刻ばっかりして大丈夫なの?と思ってしまう市川実日子さん、メルシー体操が妙に可愛い加瀬亮くんもみんな個性的で面白かったです♪

2008年6月22日日曜日

天上の恋人

「天上の恋人」をみた。


リュウ・イェとドン・ジェが出演している映画がいつの間にかレンタルに!これは見なければと早速レンタルしてみました。


銃の暴発で視力を失ってしまった父親、耳が聞こえない息子チャークァン、その家で暮らす事になった口の聞けない少女ユイチェンをほとんど説明なしで静かに描いていて…不思議な気持ちになりました。

チャークァンは幼い頃の事故で耳が聞こえないのですが特に気にしてるという感じはなく爽やかで明るい青年です。同じ村に住んでいるチェーリンに片想いをしてるんですがどう想いを伝えたらいいのかわからず字をかける獣医の先生に頼んでラブレターを書いてもらいます。その代わりにほぼ毎日水を運んであげる姿が健気です。
でも先生はそんなチャークァンの思いを裏切りチェーリンと深い仲になってしまいます。何もしらず努力してるチャークァンを見てると切なくなります。
でも結局先生は仕事のため村を出てしまい妊娠したチェーリンは置いていかれてしまう。最初はその事に怒っていたチャークァンだけど最後は…全部を受け入れようとしてたんじゃないかと思います。ユイチェンは兄を探しに村へ来たのですが話せないためどういう少女なのか謎ですね。働いている姿やチャークァンや父親に優しい所を見ると良い子なんだなって思うんですがなぜここにいるかわからないんですよね。

最後はユイチェンが村を去ってチャークァンとチェーリンは幸せになるのか、それともチェーリンが先生のもとへ行くのかと思ってたら…えぇ!という意外すぎる終わり方でした。今まですべてが自然でその土地の雰囲気をいかした美しい映像と静かな想いを描いていたはずなのに急にファンタジー?っぽくなりました。なぜこの終わり?自分は普通でも十分良かったんじゃないかと思うんですけどね。。。


主演はドン・ジェでしょうか。「至福のとき」では盲目の少女でしたが、この映画では話せない少女を好演。少し冷たそうに見えますが小さくて細くて健気な彼女は守ってあげたくなる可愛さがあります。
リュウ・イェは今までいろんな田舎青年を演じてますが今作は今までの中で一番明るく楽しそうです。つねに笑顔だし。

2人の演技も良いけど村の景色も素晴らしいです。チャークァンが住んでる家なんてどこに建ってるの?ってぐらい崖が近いです。そこでヨロヨロしながら自転車の練習をするもんだから落ちないかハラハラしました。どこまでも続く畑や大きな井戸、ユイチェンがチャークァンを探しに行く時にそびえたつ山などが美しかったです。こういう場所に一度行って癒されたいですねぇ。。。

2008年6月21日土曜日

リアル・フィクション

「リアル・フィクション」をみた。

これもキム・ギドク監督の初期の作品なんですが主演がチュ・ジンモ。チュ・ジンモって「カンナさん、大成功です!」に出演してるような若手で男前の俳優さんだよね。キム・ギドク監督がそういう俳優さんを起用するって不思議だなと思ってました。一応チョ・ジェヒョンやチャン・ドンゴンも男前ですけど、やっぱりちょっと違いますもんね。。。


その若者は公園で肖像画を描いて暮らす画家でした。ヤクザに笑われ、お客に料金を踏み倒されながらも絵を描き続けていたある日、彼はビデオカメラで彼を撮影し続けていた少女の似顔絵を描きます。彼女はお金を持っていないから別のもので払うと言い、彼が少女についていくと…


という話で、とても面白かったです。と言ってもかなり好き嫌いが別れる映画じゃないでしょうか?いつものように何の説明もなく、台詞も少なく若者がなぜこんな生活を送っているのかわからないままなのかな?っと思っていたらそうじゃありません。少女についていき出会った1人の男…それはもう1人の自分だったのでした。最初は見た目が全然似ていないので、何を怒っての?って思いながら見てたんです。そしたらその男がお前の人生は辛かっただろう?みじめだっただろう?と言い、銃を取り出し俺を殺したい相手だと思って撃て!といいます。最初は戸惑っていた若者が、徐々に思い出したように怒っていき同化していくように見えた時、あぁ~これは自分自身なんだなと思いました。そして彼は自分自身を撃ち殺した後、本当に自分の憎んで殺したいと思っている人達を殺しに行くという復讐?のような物語が始まりました。まずは自分の書いた絵を気にいらず目の前でビリビリに破いて捨てた女性。彼女を追いかけ尖ったえんぴつで刺し殺す、今度は自分の絵を利用したカメラマンを殴り殺し、お店に違う男を連れ込んでいる恋人を殺し、昔愛していた女性を無理矢理奪って結婚したのに幸せに出来ず離婚した友人を毒蛇で殺し…どんどん殺人を重ねていきます。

そんな彼が他の殺した人達がと違った理由で会ったのは元恋人でした。最初は同じように恨みながら一気に殺すのかな?なんて思ってましたけど、ちょっと雰囲気が違う。彼女も彼と同じようになぜこんな事に?と人生に絶望していました。そしてもう生きているのが辛いと言う…彼女は最後どうなったのか結局はわかりません。他の人とは違って死んだ姿を見せなかったので。でも、自分は殺したんじゃないかと思います。それは彼女にこれ以上つらい目にあってほしくないから、彼と同じような思いを抱えて生きてほしくないから。だからって殺していいっていう理由にはならないと思うけど切なかったです。


他にも軍隊で彼を傷つけた後輩を冷凍室に閉じ込め、金を取り上げるヤクザを撃ち殺したり、彼を辱めた刑事を殴り殺したりします。それをずっと撮り続けている少女も。この少女はどういう存在?これも自分自身なの?って疑問に思いましたが、この少女を殺す事ですべての殺人から逃れる…じゃなくて殺人が終了したという意味なのかなと思いました。それでどういう結末になるの?と思っていたら…えぇ!そういうオチですか?とビックリです。


主演のチュ・ジンモは映画でちょこっとしか見た事がないんですが、めっちゃ綺麗な顔してるんだなぁと思いました。鼻が高い!横顔が彫刻のようです。そんな若くて男前な俳優さんなのに地味な服を着て綺麗な部分を全部抑えて冷血な殺人者となる。言葉にはしませんが殺してやる!という声が聞こえそうです。こういう演技も見れて嬉しいですね。だけどなぜにチュ・ジンモなの?って考えてみると、若さがあるほうが勢いと思い込み!がありそうですし、多少男前じゃないと見ているのに辛いものがあるかな?と思いました。

2008年6月18日水曜日

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」をみた。

何を借りようか迷っていたら、なんとなく目についたのがこの映画。ほんわかした優しい雰囲気が多い岩井監督の映画が見たくなったので借りてみました。花火大会が行われる夏の一日を爽やに甘酸っぱく、そして少し寂しく描いている映画で面白かったです。50分という短い映画なのであっという間に終わっちゃう感じがしてもっと見たくなりましたけどね。


小学生の男の子が主人公でクラスの可愛い女の子が好きなんですが、彼女の事をずっと想っている友人がいるし男同士の付き合いも大切にしなきゃいけなくてなかなか行動を起こすことが出来ません。いつも見てるだけ。そんな彼にもチャンスがやってきます。最初はプールでの勝負に勝った彼の友人が花火大会に誘われるんですが、友人は途中で行く気がなくなります。(そこが小学生っぽくって好き)友人の実家の病院で偶然会った彼女は友人が行く気がなくなったと知りショックを受けて人はみんな裏切るもの…と意味深な発言をします。そこで彼は自分は裏切らない!と言うんですね。そこに突然彼女の母親が現れて嫌がる彼女を連れていってしまいます。それを見た彼は誘われたのが自分だったら…と思うと急に場面がプールでの勝負に戻り彼が勝った設定の話が進むんですね。それが面白いです。彼女に何がおこったのか彼はわからないまま彼女と過ごしますが、それがすごくいい。大人だったら理由を聞いて慰めたり元気づけたりしそうですが、子どもだからどうしていいのかわかってない。でも何にもしなくても、ほしい言葉をくれなくても、ただそばにいてくれるだけで気持ちが落ち着いてくるなんていいなぁ。。。そういう存在がうらやましい。そう思えるような純粋だった頃に戻りたいなぁと思いました。

それに去年は一度も海も花火も見てないなぁ。。。だから今年こそ思いっきり海で遊びたいなぁ。
出演している奥菜恵といい小橋くんといい…みんな若くて可愛いな~小学生ぐらいだから当たり前だけど。こんな可愛かった子ども達が大きくなって結婚したりいろんな問題を抱えたりするんだもんね。いつまでも子供だったらいいのにと思い大人な自分を反省しました。

2008年6月15日日曜日

Sweeney Todd

先日DVDリリースされた『Sweeney Todd』をみた。

これ当初は”ミュージカル映画”と言うことでかなり購入を悩んだところ(笑)。と言うのもかつて『シカゴ』という映画DVDを購入し観てから初めて”ミュージカル映画”だったことを知り、あくまでもボンクラ親爺個人の話ながら、10分と観ないでお蔵行きとなった経緯から、何故か”ミュージカル映画”にはトラウマ?があったりする(謎)。まぁそんなワケで購入を悩んだが、キャストがJohnny Depp(ジョニー・デップ)、某大型店でのPVを観て音楽部分が少ないかな?との印象と、「10%OFF」に魅かれて購入した。

で内容だが、喉元流血ドバドバなシーンが盛り沢山?とか人肉食を描いた作品なだけにR-15指定はともかく、詳細はネタバレになってもナンだし、巷間の劇場鑑賞の諸氏らのレビューにお任せすることにして、本映画については別角度からレビューしてみたい。

まず製作者らは本作がフィクションであることを念頭にしながら、17世紀から18世紀にかけての英仏にその元になった事実があるらしいことを、学者等のコメントで示している。歴史的には理髪師が自分の妻を寝取った客を殺害したらしい記録とか、人肉食事件とか・・・そうした昔の話が結びついて本作品が創作されたとの見解にあるようだ。本作品は『The String Of Pearl』との英国での連載小説が原型と述べられている。それがヒットし”シャーロック・ホームズのベーカー街221b”のように、本作品もフィクションでありながら居住地も与えられていたりするらしい。
話は戻るが主役である「スウィーニー・トッド」の居住地も「186 Fleet Street, London, UK」となっているとのこと(汗)。
ロンドンのほぼ中心部であり、ハイドパークやピカデリーサーカスあるいはトラファルガー広場等からそれほど遠くない位置にある。とまぁこんな感じだが、本作のエピソードとしては、セットの制作が始まりキャスティングも決定しクランクインの2か月前まで、監督や製作者らはメイン・キャストであるジョニー・デップの歌を聞いたことがなかったと述べている(笑)。音痴だったら吹き替えしたのか。

2008年6月14日土曜日

妻は告白する

「妻は告白する」をみた。


増村監督の映画でどれを見ようか…と考えたら、ちょっとシリアスな映画が見たいと思ったので、この映画にしてみました。

大学教授の夫とその妻、製薬会社の社員の若い男が登山中に事故にあい、大学教授だけが死んでしまいます。世間はそれを妻が故意に殺したのではないかと疑い裁判が始まるのですが…という話で面白かったです。

夫は事故で死んだのか、それとも妻が殺したのか…という謎があります。殺したとしても、気持ちがわからなくないんです。貧しい暮らしをしている時に夫と出会いこの暮らしから抜け出すために結婚して、いい妻になろうと努力するけれど夫は冷たく文句を言うだけで子供も生ませてくれない。こんな生活が嫌で死のうかと思った時に、若くて優しくて自分の唯一の味方でいてくれる人に出会うわけです。
世間にどう思われてもいいから彼を愛したい、ずっと一緒にいたい…という気持ちは抑えきれず彼も奥さんを好きな気持ちに気づいて、二人は世間の人にどう思われようと一緒になろうと決意します。結局は裁判では無罪になるんですが、妻は本当は自分が殺したという事を告白してしまいます。彼はそれで奥さんの事が急に恐ろしく見えるし、今までずっと自分を騙してたのかと思うと一緒にはいられず離れる決意をします。別れるときに「人を殺す人間に、人を愛する事ができるのか?」と言います。その言葉を聞いた時、この人は全然わかってないなと思いました。奥さんは愛するからこそ夫を殺したんです。もちろん人を殺していい理由なんてないのはわかっています。だけど目の前で愛する人が苦しんでいてもしかしたら死ぬかもしれない。憎い夫のせいで彼がこんなに苦しんでいる。だったら…自分はどうなってもいい。彼を、愛する人を助けたいそう思ったはずです。

もうちょっと妻の気持ちを考えてほしかったな。だからといって若くて優しい男性もどうだろう。。。奥さんが殺したのでは?とずっと疑問に思いながらも一緒にいてくれるけど、殺したとわかれば急に態度が変わるなんてちょっと酷くない?と思っちゃいました。婚約者が言う通りきっと誰も本気で愛してなかったんでしょうね。本気で愛してたらもっと違う結果になってたんじゃないかなぁ。。。


主演の若尾文子さんはまさに奥さん!という感じがします。夫にはふさわしくないほど若くて色っぽい。これは誰もが夢中になりそうです。
川口浩さんは若尾さんとは「最高殊勲夫人」で共演していてこの映画が大好きな自分としては嬉しかったんですが、ちょっと嫌な男でしたね。若さゆえというのもあるんでしょうがハッキリしない優柔不断な態度が女性としてはイライラしたり。自分が好きなのは婚約者役の馬淵晴子さん。綺麗な人ですね。きっと誰よりも奥さんの気持ちを理解し、婚約者の事も自分の事もちゃんと考えられる大人な人だと思います。だからどうしようもない想いが悲しかったりするんですけどね。

2008年6月11日水曜日

女帝 エンペラー

「女帝[エンペラー]」をみた。


映画館が遠くて車を運転出来ない自分は泣く泣く諦めた映画をやっと見ることが出来ました。


唐の時代が終わりその後権力闘争による動乱が続く古代中国の五代十国時代。リーは皇帝である兄を殺して王位を奪い、さらに甥にあたる皇太子ウールアンをも抹殺しようと画策します。王妃ワンは、義理の息子でありかつては想いを寄せていたウールアンを守るためにリーを新皇帝と認め胸の奥では復讐を誓っていたのでした…という話で「ハムレット」が原作になっているらしいのですが、読んだ事も見た事もない自分はわかりにくい所もありましたが、面白かったです。何がわかりにくかったかというとワンの気持ちですね。最初はウールアンをまだ想っていて彼のために復讐を誓いリーがウールアンの命を奪おうとするとどんな手を使ってでも彼を守ろうとする。そのためにむち打ちの刑になった人は見るのも辛い惨い殺され方だし、ウールアンを愛するチンニーを利用し彼女の家族までを巻き込みます。どんなふうに思われようと関係ない。すべては彼のためなのか…と思ってたんですが、リーの事も少しは想ってるように見えたのですが…気のせい?最後のあの涙は何なんでしょう?

物語も良かったけれど映像も本当に綺麗でうっとりしました。チャン・ツィーが出演しているので「LOVERS」を思い出しますね。アクションまで華麗で一つ一つきちんと決まってますし、ウールアンを殺そうとするシーンは首が飛んだりして結構グロいと思うのですが飛散る血までも美しい。ここまでくると芸術ですね。


主演のチャン・ツィーは可愛いし王妃としての貫禄もなかなかありますが、本当の気持ちがよくわからないのがなぁ。個人的にはウールアンを思う切ないシーンやリーの気持ちを知り泣くシーンよりもチンニーを虐めるシーンがリアルで好きでした。女性って怖いわ。
ダニエル・ウーは男前ですが、やっとみんなと絡んできたと思ったら遠くに送られたりして思ったより活躍しないのがもったいないです。
この映画で光ってるのはやっぱりジョウ・シュンでしょう!もう細くて大きくてクリクリした目がお人形さんみたいで、無垢で愛らしい。心から想っていても無理矢理押し付ける事しないしね。自分だったら絶対チンニーを選ぶのに。
グォ・ヨウは何か目で追いかけてしまうんですよね。存在感ありますしちょっと無気味な感じがします。やる事が徹底的で冷たいようにも見えますがワンに対する愛は本物。だからワンの気持ちも少しは揺らいだんじゃないかと思わせてくれました。ただの嫌な男に見せないのが凄いです。さすがですね~

2008年6月9日月曜日

好色一代男

「好色一代男」をみた。

増村監督の映画ですし、前から市川雷蔵さんのコメディが見たいと思ってて共演は気になる船越英二さんという事でこれは見なければ!と思って借りてみました。

三度のめしより女性が大好き、女性のためならなんだってしてやりたいボンボンのいろんな意味でダメ男が親に勘当され家を出て全国各地の女性達を助けてあげるという話でとっても面白かったです。


なんといってもこの世乃助という男が魅力的です。女性と一緒にいるのが何よりの幸せ、しかも一人じゃなくて世の中の女性全員を本気で幸せにしたいと思ってるあまり世の中や女性の本当の怖さを知らないボンボンなのです。だからいいのかなぁ。女性が道を通れば「ちょいと!そこのかた!」と声をかけ美しい女性はみ~んな天女だと思って可愛がる。男には一銭のお金も出さないし情けもかけないが、女性ならいくらでもお金を出してしまうんですね~こんな男がいたら楽しいだろうね。お金をためる事も働く事も大切。だけどお金を抱いても何にもならない。だったら自分の好きな事に使ったほうがいいじゃない!という気持ちで自分も豪遊してみたいなぁ…と思うけど小心者の自分は絶対出来ないでしょうねぇ。。。
貧乏だろうがお金があろうが望みは女性の幸せただ一つ。凄いですよね。ここまでくると、いい人に思えてくるし見てたら楽しくなって元気が出てきました。



主演の市川雷蔵さんは…もうイメージがガラガラと音をたてて崩れました。ずっとクールでかっこいい姿しか見てなかったから女性を追いかけて足に捕まってでも話しかけようとする姿を見てえ~こんな事雷蔵さんがやっていいの!?とびっくりしました。
若尾文子さんはかっ可愛いなぁ。。。綺麗な女性はたくさんいたけど飛び抜けて綺麗だし、クールな所に惹かれます。
中村玉緒さんは若くて可愛い♪一番長く世乃助と旅をした女性ではないでしょうか。妾として生きるよりも逃げ出して好きな人と一緒にいるほうが幸せ!と思ってたら結局連れ戻されちゃった。だって世乃助弱すぎる…ボコボコにやられてるし。その後の再会は悲しいはずなのにちょっと面白いんですよ。不思議。
船越英二さんは今回は浮気はしてませんが、女性に入れ込んでしまった男の役でした。偶然出会った世乃助と遊びに行くけど紹介する女性は問題のある女性ばっかりなのが可笑しい。ここで世乃助におばあさんを紹介するシーンはかなり笑えます。その後世乃助のおかげで好きな人と一緒になれるけど、数年後はもの凄い貧乏で妻の尻にしかれています。でも個人的にはその人生に疲れてやさぐれた感じが好きだったりする(笑)どんな格好をしても男前でセクシーなのでした。

2008年6月8日日曜日

靴に恋する人魚

「靴に恋する人魚」をみた。

見たかったんですが結局見に行けなかったので、いつになったら発売されるんだろう?とずっと待っていた映画をやっと見る事が出来ました♪

絵本が大好きな車椅子の少女ドド。手術を受けることになりますが絵本で読んだ人魚姫のように声を失わないか心配でしたが、ちゃんと話せますし歩けるようにもなりました。そしてドドは靴が大好きな女性へと成長します。
靴が彼女の世界の中心でした。それに答えるようにどの靴も彼女にピッタリ似合い彼女が履くととても可愛らしく幸せな靴に見えました。そんなある日、たまたま通った歯医者で素敵な男性スマイリーと出会い少しずつ時間を重ねて結婚する事を決めます。そのときドドは幸せには黒羊と白羊が必要という言葉を思い出します。だからスマイリーがどっちも選べず紫羊のぬいぐるみでプロポーズするのがすっごく可愛い♪現実で考えると少々くさいですが(笑)
全部が幸せで楽しい毎日でした。ただスマイリーはだんだんドドが大好きすぎる靴が怖い存在になってきます。そこで靴を買うのを我慢してみては?と提案して彼女も承諾するのですが…ドドは元気がなくなり靴をさけるあまりに周りが見えなくなって事故にあってしまい足を失ってしまいます。

自分が苦しい時、悩んでいる時は周りが見えなくなって自分中心になっちゃってどうして?と考えて悲しむ。だけど自分だけが苦しいんじゃなくて自分を大切に思ってくれる人も一緒に悲しんで心を痛めてるんですよね。それに気がついて自分は1人じゃないし、すべてを失ったわけじゃないんだって思えたら一歩前に進める気がします。
幸せかどうかは今の段階ではわからなくても、そこからまた新しい物語が始まっていく。。。


主演のビビアン・スーはとっても可愛いです。本当に絵本の中のお姫様のよう。どの洋服もキュートでスタイルがよくて!スラッとした長く細い足にはどんな靴もバッチリ似合う♪性格的にも女の子っぽくて言葉ではなくて仕草や行動が可愛いんだよなぁ。
ダンカン・チョウは爽やかで優しい王子様!という感じ。
いつでも彼女の事を考え大切にしている所もよいですし乙女心を知らずせっかくのプレゼントを振って確かめるという行動も可愛いなと思いました。
エンドロールを見て気づいたんですが…ナレーションがアンディ・ラウでした!!知らなかった~という事でもう一度ナレーションを聴きなおしたのはいうまでもありません(笑)

2008年6月6日金曜日

私たちの幸せな時間

「私たちの幸せな時間」をみた。

韓国で上映された時もヒットしていて評判もよく気になっていて見に行きたい!と思ったのですが上映期間が短く時間もあわなかったので泣く泣く諦めた映画をやっとゲットしました。


男は3人を殺した死刑囚ユンス。女は3回自殺未遂をした元・歌手ユジュン。死から逃れられない、出会うはずのなかった2人。人生に絶望し、孤独を抱えた彼らが向き合うこととなった…


という話でとても面白かったです。
おばの頼みで無理矢理毎週木曜日10時から13時の面会時間にユンスに会うことになったユジュン。でもユンスはおばのシスターに対して酷い態度をとり心を開いてくれません。でもユジュンはそこから自分に似ているものを感じます。ユジュンのユンスに対する思いが変わったのはユンスが殺した家政婦の母親と面会した時だと思います。いくら会っても大丈夫だ!と言っても愛する娘を殺した相手。その人が目の前にいるとなれば気持ちは抑えられずユンスにつめよる母親。やっぱりそうなるよね…と見てて苦しくなるのですが、何とか気持ちを落ち着けさせた母親はユンスを赦すと言ってくれます。そして謝り続けるユンスを見ていたら本当に3人の人を殺したんだろうか?と思ってしまうほど小さく見えるんです。そこから2人の関係は変わります。
そして毎週木曜日の10時から13時の面会時間は2人にとっての幸せな時間になっていきます。ゆっくりゆっくり時間を重ねてお互いを知る。お互い今まで辛い人生だったけれど、やっと人を信じれるようになって大切に思えるようになる。あんなに早く死なせてと言っていたユンスも子供たちと文通したりして、このまま刑務所にいて文通してユジュンにあえるなら一生刑務所でもいいから生きていたい…と思い始めます。なのに幸せな時間はいつまでも続かなかったのでした。


自分は最後まで見て、この2人は出会えてよかったのか?と考えてしまいました。確かにユジュンは止まっていた時間が動き出した気がしますし、ユンスはずっと地獄のような人生だったけれど最後にもう1度誰かを愛せて幸せな時間を過ごせて救われたと思います。だけど…世界に愛があるって知って生きたい!と強く思っても死ぬしかないなんて…しかも他の人の罪を被ったせいで。。。死刑が決定になった時は早く死ねると喜んだかもしれない。これでいいと思ったかもしれない。だけど生きたいと思い始めたのに生きれないなんて。彼の犯した罪は許されるものじゃないけど被害者の母親が赦すから死なないでとも言ったので生きて罪を償ってもいいのでは?と思うと余りに悲しすぎて。
でも、これでいいんだと、暗い人生で終わるよりはほんの一瞬だけでも幸せだったからきっと来世では…と自分を納得させました。


主演のイ・ナヨンは美人で目力がありますが疲れている感じがします。そこから彼女の持つ悲しみがにじみ出ていますね。
カン・ドンウォンは人気がある美少年というイメージだったので、こんな死刑囚の役ってどうなんだろう?と思ってましたが、結構似合っていてビックリしました。最初はちょいと冷たい感じがしますが、笑顔が戻ってくると可愛らしくて。
2人の別れの前に自分を泣かせてしまったのはイ主任を演じたカン・シニルです。いつも優しくユンスを見守っているて良い人だなぁって思っていたのですが、ユンスが自分で作ったネックレスをプレゼントするシーンで手錠をはずしてくれました。その行動があまりに自然で嬉しくて何だか泣けてきたんですよね。何にも言わないけど2人を大切に思ってるんだなぁって感動しちゃいました。

2008年6月4日水曜日

第三の悪名

「第三の悪名」をみた。

悪名シリーズ第5作。田中徳三監督の作品ですよ♪今作では清次の後ろ姿から始まります。お正月でめでたいし最初から二人一緒だったのでこれは楽しみ♪と思ったんですが、やっぱり二人は離れてしまいました。ちょっと寂しいよ。いいコンビなのに~あと、お気に入りのお銀さんは登場せず。


朝吉はある女親分お妻と出会います。その親分は朝吉が部隊で一緒だった粟津の義理の母親。実はお妻と粟津はお互いの事を想っているのにお妻が一緒になる事は出来ないと拒否してるんですね。

粟津にはかたぎでいてほしいし簡単に気持ちの整理は出来ないですよね。そのやりきれない思いが朝吉に向かっています。愛してはいなけど彼のために朝吉と一緒にいる。朝吉もそれをわかって一緒にいる。もう、なんなのこの切ない不思議な関係は!と想っちゃいますよね。。。朝吉はどこまでいい人なんだ。粟津のためにまっとうな道に進むよう説得したり、ヤクザに捕まったら助けようとしたり。家に戻れば何も言わずに去っていく。男前すぎ!
そして気になるのはお照は朝吉に惚れているのでしょうか?だって…朝吉がお妻と朝帰りしたとき凄い形相で追い出しちゃいましたよ。これはどう考えても嫉妬にしか見えませんが。。。確かに貞が亡くなって10年たって落ち着いたかもしれんし、その間ずっと一緒にいたら男前で頼りがいのある朝吉に惚れる気持ちもわからないわけじゃないけど…複雑です。清次が襲われた時は死ぬのは貞だけで十分。復讐なんて考えないで!って泣きながら止めてたので貞への愛を感じたんだけれども。あぁ~もうどうなの?めっちゃ気になるじゃないですか!


印象に残るのはやっぱり長門裕之さんですね。めっちゃ若くて細くてなかなか男前。朝ドラでずっと長門さんを拝見してましたが、昔はこんな感じだったのか…と驚きました。ちょっとサザンの桑田さんに似てませんか!?
着物姿は勝新太郎さんに負けちゃってう~ん…って感じだけどスーツはめっちゃかっこいい♪哀愁がありますね。すっごく真面目な朝吉、軽くて面白い清次とはまた違った男の魅力。クールで渋いですだけどケンカは弱そうですしヤクザには向いてない。それでもなんとかいっぱしのヤクザになろうと彫り物をしたりする。すべては愛する人のためかぁ。素敵だけどまだ考えが子供だなとも思いますね。だから一途なのかもしれないしね。お決まりの大暴れのシーンもスカッとして楽しい☆みんなボコボコになっちゃってカポネなんてコントかよ!とツッコミたいぐらい服がビリビリに。わっかりやすいなぁ。いつか自分もどさくさにまぎれて暴れてスッキリしてみたいです。

2008年6月1日日曜日

武士の一分

「武士の一分」をみた。

山田洋次監督の時代劇三部作の最終章です…よね?前二作を見てたので映画館に見に行こうか迷ったんですが、友達の話を聞くとオススメってわけではなさそうだったので結局見に行かずDVDでの鑑賞になりました。


毒見役を務めていた三村新之丞は貝の毒にあたり、その目の光を失います。死のうとする三村を妻の加世は一生懸命励ましますが今後の事が心配になり親戚に促され城の有力者島田藤弥のもとへ相談に行くが…


という話で面白くて感動もしたんですが、前二作と比べると。。。山田洋次監督が描く時代劇は殺陣が凄かったりヒーローのような人物がいるわけではなく一般のどこにでもいたであろう武士、むしろお金がなくて庶民とそんなに変わらないような地味な生活を送る武士が主人公でした。だから自分も感情移入出来たと思います。何だか自分に近い存在に感じられました。ところが三村新之丞からは地味さを感じられませんでした。
そして話があんまり好きではないなぁ。こんな話はいくらでも見てきたし、別に嫌いではないけれど「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」と比べると話が暗い。。。
これが三部作の二番目だったら最後で思いっきりいい話を描いてもらって気持ちよく終われるんですが…これでは複雑な気持ちになってしまいました。

たくさんの助演男優賞を受賞している笹野高史さんは「寝ずの番」でも素晴らしかったんですが、この映画でも光ってましたね。あまり目立たない役なはずなのにめっちゃ存在感あります。見た事ないけどこの時代には絶対こんな人がいたんだろうなと思わされます。
楽しさとちょっぴり悲しさがいいバランスでした。坂東三津五郎さんは出演シーンは短いし嫌な男なんですが、貫禄や品があってただの嫌な男なだけになってないのがいいです!それに剣をもった立ち姿が綺麗です。だから最後の戦いのシーンはもっと見たかったです。