2008年9月20日土曜日

迷子

「迷子」をみた。



台湾映画はちょいと苦手な分野もあるのでしばらく見てなかったんですが、つい先日DVDで見る事にしました。



公園で少し目を離したすきに孫を見失ってしまったお婆ちゃんと、学校へ行かずインターネットカフェでゲームばかりしている男子学生が夜になっても帰ってこない祖父を探しに行く…という静かで不思議な話でした

ドキュメンタリーのような感じで効果音もないのですごーく静かに話が進んで撮影しているというよりもまるで自分がこの二人を見ているという感覚でした。ほとんど二人を追いかけ続けるのでもしかして…孫も祖父も亡くなってる?などいろいろ考えてしまいました。
その前にお婆ちゃんと学生の行動もよくわからない。映画を見ている時は深く考えられなかったけど、監督は大切な何かを突然失った人を描いて今がどんなに大事なのかを描きたかったのかもしれません。
もうちょっと何かほしいなと思うけど、このままの雰囲気も残してほしい…ほんと不思議な世界観です。ゆっくりたっぷり時間をとって見たい映画ですね。前から思ってるんですが日本題って変だしもったいなぁと思います。「迷子」でもいいけど「不見」っていいタイトルだと思うんですね。近くにいるけど見えてない、いるのがあたり前で大切さが見えてない…そういう意味まできちんとタイトルで伝えてる気がします。日本人は中国語になじみがないから仕方ないけど中国語の響きや表現が好きなのでもっと原題の意味を含んだタイトルに出来ないかな?と思ってしまいました。

2008年9月16日火曜日

ウィンター・ソング

「ウィンター・ソング」を見に行った。


楽しみにしていた映画を見れてよかったです。



ピーター・チャン監督といえば「君さえいれば」「ラヴソング」が大好きだけどミュージカルと聞いていたのでどうなんだろう?と思ったけど面白かった。最初いきなり歌い出した時はこれがミュージカル映画というものなのか!?とびっくりしたけどね。サーカスや街のシーンはすごく素敵なんだけど(たぶんCGじゃないよね…)見せ場の空中ブランコが今までの映像と違ってあきらかにCGなのがほんとにもったいない。物語は10年間彼女を想い続ける男優、夢を叶えるために愛を捨てて現実に生きる女優、彼女を愛し女優として成長させた監督の三角関係?かと思いきやほとんどは男優と女優の実らない愛についてだった。男優はずっと想い続けてきたんだからきっとこの愛は叶うんだ!と思ってたけど、そんな事は願ってなかったのかな?10年前の事を思い出してあれが愛だった事を確認してちゃんと終わらせてから思い出にしてから新しい一歩を踏み出したい…という感じだったのかも。誰を選んでもいいからあの愛を忘れないで!って伝えたかったのね。



主演の金城武はよかったですよ。色気があっていい男になったね。個人的にはアクションよりもこんな映画に出演して色気をふりまいてほしい。
ジョウ・シュンを抱きしめて泣くシーンが素敵。歌も違和感なかった。10年前はあなたは電車男ですか?ってぐらい超ダサいんだけどなぜか可愛い。優しいから甘えたくなるし面倒も見たくなる。
ジョウ・シュンはもう小悪魔雰囲気がピッタリ!!監督よくジョウ・シュンを選んだねって思ったもん。どんな格好をしてもどの角度から見ても可愛らしく美しい。それでいて憎めない。
ジャッキー・チュンはいつも悲しい役だね…とかよりも歌が上手い!!!知ってたけどちゃんと歌ってるの初めて見た。。。ダンスや華やかな衣装がなくても、歌うだけで迫力があって圧倒されました。
特別出演でよくしゃべる可愛いエリック・チャンと金城武のマネジャー役でサンドラ・ンが出演!!まさかサンドラ・ンを映画館で見れるなんて思ってなかったからテンション上がっちゃった。監督に感謝です。お幸せに♪

2008年9月15日月曜日

美しき野獣

「美しき野獣」をみた。


日本で人気があると思われるグォン・サンウ主演の映画。


野獣のように暴れ誰の言う事も聞かない刑事と、冷静沈着な検事が力を合わせてある大物ヤクザを逮捕しようとするという話ですが…う~んなんか盛り上がりに欠ける。
自分は男同士の熱い友情物語が大好き。何も言わなくても俺はわかってるぜ!みたいな感じのね。こういうのは男性にしかないような気がするんだよね。この映画も友情じゃなくてもそれに似たような感情が互いにあるはずなんだけど自分には伝わらなかった。ライター1個じゃ互いの気持ちはわかりませんよ~事件やアクションよりも、二人がどういう生活を送って今に至るのか、お互いの事をほんとはどう思ってるのか細かく見せてほしかった。特にグォン・サンウは自分を不幸だと思ってるけど、その原因がよくわからない。
最後も納得出来ません。悪が勝ったって事になるのかな?別に映画だから悪が勝ってもいいんだけどいまいち納得いきませんね。悔しいというよりムカムカするね。こういう結末にするなら同情まではいかなくても少しは悪に感情移入出来るようにしてほしいと思うのはドラマの見過ぎですか?



グォン・サンウは確かに野獣という言葉が似合います。すぐ暴れるしキレるから。でも…美しくないよ。。。アクションも頑張ってるし最後のシーンも迫力があってよかったよ。でもこの映画をグォン・サンウ目当てで見た人はどう思うのかな。
ユ・ジテは…真面目な役悪くないけどもったいない気がした。もっといい映画に出演してほしい。

2008年9月13日土曜日

SPIRIT

「SPIRIT」をみた。


ジェット・リーの最後の武術映画のようですが、すごく面白かった。自分はこんな映画大好きです。ジェット・リーの武術映画といえばリー・リンチェイ時代に主演した「ワンチャイシリーズ」を思い出す。


師匠と呼ばれるほど武術が優れていて、人柄もよく、正義のために戦う姿が素敵なんだよね。ところがこの映画でのジェット・リーが演じる「フォ・ユンジァ」は自分の強さばかりを求めて大きな代償を払ってしまう。ウォン・フェイフォンとは全然違う性格だね。だけど、そのあとに目指したものは同じなんじゃないかと思う。大切なのは自分に勝つ事。毒を飲んでしまった後も戦い続ける彼を見て感動しました。


ジェット・リーのアクションは素晴らしいね。早いのに綺麗!
ユエン・ウーピンの演出も素敵。個人的な事を言えば、もしこれがほんとに最後の武術映画なら、自分は外国人とは戦わないでほしかった。純粋に中国の伝統の武術が見たかった。道具を使ってもいいけどジェット・リーらしい早くて綺麗で芸術品ようなアクションでドニー・イェンもしくは熊欣欣とガチンコ対決してほしいな(笑)
アクションの他にもコメディちっくなシーンやシリアスなシーンもあって新しい一面が見れたのは嬉しかったけどね。ほんともったいない。
中村獅童は日本語のみを話すのかと思ったら、中国語も少し話してたのでびっくりしちゃった。珍しく人間味のある日本人を演じてたのはいいんですがアクションは明らかに別人だね(笑)相手がジェット・リーだから仕方ないけどさ。他の国の選手はちゃんとアクション出来る人なのに、なぜ日本人はアクション出来る人にしなかったんだろう?と疑問に思いました。

2008年9月8日月曜日

男はソレを我慢できない

「男はソレを我慢できない」をみた。


面白そうだなぁと思い見てみました。


下北沢を舞台にした人情劇らしいんですが…タイトルからして普通じゃないのはわかってたんですが…不思議な映画でした。映画というかバラエティみたいな感じですね。ギャグも歌も何でもアリだぜ~!!という世界でした。一応最初はソープ建設を阻止しよう!とか、ほのかな恋とかストーリーらしいものがあるものの、途中からよくわからなくなってきて最後はソープとかどうでもいいんじゃ?と思いました。でも、自分は結構好きかも。たまにはこんなおバカ映画を見たいもん☆おバカコメディなのでお色気があってもあまり嫌らしくなく、阻止するぞ!とかいいつつ見事に骨抜きにされる男性陣が可笑しくてちょっと可愛いです。

よし!カレー喰いにいこうぜ!とカレー屋にいけば、いつものメンバーがたむろっていてくだらない話で大盛り上がり。久しぶりにあってもすぐ昔のように仲良くなれるんですね。


主演はもうDJタイガーというより竹中さん本人じゃ?と思うほどはじけまくっている竹中直人さん。いいなぁこんなおじさん。何か勇気が湧いてきます(笑)
竹中さんにあわせて高橋克実さん、温水さんもカツラかぶっておおはしゃぎ。
ヒロイン?の鈴木京香さんは綺麗ですね~最近は綺麗で強い女性な役が多い気がしますが、おっとりとしてるように見えるけど一番しっかりしている可愛い女性でした。
大森さんは眼鏡をかけて少々オタクっぽいけれど…可愛いです!!でも、こういう役も全然不自然じゃないんだよね。ほんと上手いなぁと思いました。

2008年9月6日土曜日

祇園の姉妹

「祇園の姉妹」をみた。


近くのレンタルショップがど~んと溝口監督作品を置いてくれたので溝口監督祭りの始まりです…と思ったらどれが一番古い映画なのか調べるのを忘れてしまってました。とりあえずある中で一番古そうなこの映画を見てみる事にしました。


京都で芸者として働く性格の違う姉妹を描いているんですが、とっても面白かったです。これが70年前以上の映画なの?って思ってしまいます。落ちぶれて家に上がり込んできたダメ男を世話する人のいい姉にあきれる妹が姉や自分の生活を思いなんとか別れさせようと計画するんですが、これがほんとに上手いです!さりげなく誰も傷付かず荒波を立てず。女の武器も使い男達を操るのに全然嫌な感じがしない。むしろ人間らしさを感じるんだね。生きていくってほんとに大変だし、世の中上手く渡らなきゃいけないよねって考えちゃう。でも最後は姉も妹も悲しい結末を迎えてしまうのね。。。それでも最後まで二人の考えが違うのも面白い。人を信じ続けるのか、生きていくためにどんな手段でも使うのか…人それぞれ考えは違うけれど自分は妹の意見に賛成したくなりました。


主演は山田五十鈴さん。当時19歳だったらしいいんですが若いけどしっかりしてる感じがします。そんな女性を山田五十鈴さんが魅力的に演じていてすごく感情移入してしまいました。
梅村蓉子さんはダメ男に惚れてしまっている姉を演じています。どこまでもいい人っぷりがこれまた悲しいです。69分という短い映画なのであっという間でした。もっと見たかった…

2008年9月2日火曜日

砂の器

「砂の器」をみた。


すごく面白いじゃないですか!全然長さを感じさせないね。やっぱり昭和の日本映画っていいなぁとあたらめて思いました。


ドラマ版は見ていたので、だいたいの内容はわかってる。なのになぜこんなに引き込まれてしまうんだろう。出演する俳優さんもみんな上手くてピッタリはまってる。音楽もいい。親子の会話なんてほとんど台詞がないのに表情、行動だけですべてを語る。見てるだけで涙が出てきてしまったよ。そんな親子にピアノを演奏している和賀の切なく悲しいなんともいえない表情が重なってクライマックスへ!ほんとに見事です。自分には想像がつかないぐらい肉体的にも精神的にも過酷な旅だったと思う。だから親子は別れる時にお互いのためにもう二度とあわないと誓いあったのかもしれない。親だから息子に会いたくないはずがない。だけどもう少しの命だとしても自分の知らない人だと嘘をつくんだよ。心を許して話せるたった一人にはあんなに会いたい会いたいと言ってるのに。差別や偏見は受けているその時だけじゃない。何十年もずっと苦しませる。忘れたくても忘れられず無意識に反応してしまうのかもしれない。いじめだってそう。もしかしたら一生この傷を抱えたまま生きていかないといけなくなるかもしれない。それがどんなに辛い事か…
何の権利があってそんな事をするんだろ。同じ人間なのにね。


主演の丹波さんは人間味があってすごくかっこいいです。ただ犯人を追いかけるだけでなく相手の事も理解しようとしている。
加藤剛さんは男前なんです。台詞は少ないけど表情で見せてますね。素晴らしい。
緒方拳さんはめちゃめちゃ素敵です。超いい人だし制服かっこいいなぁ。なんでこんな人が死ななきゃいけないんだろ。
みんな素晴らしいですね。すごいなぁ。