2008年6月29日日曜日

ザ・マジックアワー

「ザ・マジックアワー」を見に行った。

「THE 有頂天ホテル」も映画館に見に行ったし、三谷監督と佐藤浩市さんがいろんな番組に出演してPRしてるので、これは…映画館で見なければ!と思い行ってきました。


街を牛耳るボス・天塩幸之助の愛人である高千穂マリに手を出してしまった手下の備後登は、命を助けてもらうため伝説の殺し屋、デラ富樫を探し出す事になります。しかし幻の殺し屋は簡単に見つかるはずもなく、追い込まれた備後は無名の俳優の村田大樹を騙しデラ富樫を演じさせる…


という話ですごく面白かったです。見終わった後に映画って…ほんと素敵ですね♪って誰かに言いたくなりました(笑)備後が連れ来た俳優の村田という男。俳優としてのプライドがあり、自分なりに努力しているつもりですがパッとする役に出会えずズルズルと俳優生活を続けています。やっと呼ばれた!と思ったら撃たれて死ぬ役だったり、ちょい役でも気にいられようと熱演するとかえって鬱陶しがられる。頑張ってるのに全部裏目にでちゃってるんです。彼の良さをわかってくれるのは撮影スタッフやマネージャーだけなのでした。役を降ろされてる彼を見てると寂しくなってしまうので、う~ん、どうにかならないのか!って思ってしまいます。そんな村田が運命?の役、デラ富樫に出会います。

それまでいろいろ笑えるシーンがあったのですが、ここからはほぼ笑いっぱなし!村田の騙されっぷりが素晴らしく面白いのです。話を聞くと監督(備後)の説明はめちゃくちゃで台本もないアドリブの演技ですし遠くからの撮影と言ってカメラを見せない。とにかく監督がスタート!と言えば演技が始まり、カット!と言うまで演技を続けなければいけません。でも本当に映画を撮影しているわけじゃないとわかっている自分からするとボスに大きい態度で迫るデラ富樫を見ていると殺されないかドキドキします。変な事しなきゃいいけど…って思っているとかな~りオーバーな殺し屋を演じるんです。
とにかくその活躍?でボス達は、こいつは…度胸がある凄い奴だ!とビビってしまい、デラ富樫を正式に雇ってしまうのでした。それからはデラ富樫は大活躍!まだデラを信じきれない部下に武器の取引に連れていかれて銃撃戦に巻き込まれても、撮影だと思っているのでド派手な演出だなぁ!とテンションが上がってしまい銃をバンバン撃って笑いながら大暴れしてしまう。それで部下はやっぱりデラ富樫はスゲェ!助けてくれてありがとう!借りが出来たな…とまたまた勘違い。ますますボスに気に入られてしまうのでした。その後、組織の裏帳簿を持って逃げた会計係を暗殺する事になると、監督もいないのに撮影を始めて病院で大暴れ。もちろん撮影の許可なんておりてないからマネージャーは後始末に苦労するのでした。満足のいく演技が出来るデラ富樫という役に出会えて幸せに思う村田。そんな村田を見て、この人は凄い俳優さんだ!と利用しているつもりが、だんだん尊敬のような気持ちを持ちはじめる備後。マリに逃げよう!って言われても結局戻って来てしまいましたしねぇ。
でもこのウソの撮影がいつまでも続くわけはなく…とうとう村田にバレてしまうのでした。えぇ!やっとそこでかい?と思うんですけど…命が危なくなったんだから仕方ないか。撮影をしていなかった…とショックを受けた村田はホテルを出て帰ろうとします。その前に忘れ物を取りに映画館によるのですが、そこで偶然備後たちが撮影していた映像を見る事になります。
覚悟を決めて戻って来た村田は俳優として最高の演技をするためにスタッフ達を呼んで(みんな喜んで協力する所に村田の人の良さを感じる)脚本を考え、自分達の命を守るためにボスの元へ戻ったマリを取り戻そうとします…
最後はちょっと強引にまとめた感じもします。だってボスはこれから敵対する組織とどうなるかもわかんないし、デラ富樫があんな事で逃げちゃうの?クールで頭のいい殺し屋なはずなのに?おかしいって気づくでしょ?って思うんですけど、なんとなくこれでいいや!って思う楽しさがあるから大丈夫。そんな事?よりも上手くいかなくて悩んでも、自分にとっての誇りとかやりたい事を大事にして頑張り続けていつか人生の「マジックアワー」の瞬間を迎えようよ!っていう気持ちが嬉しくなります。これがこの映画で1番言いたい事なんじゃないかな。それが伝われば充分ですよね。

え~、感想はほとんどデラ富樫こと村田を中心に書きましたが、他にもいろいろ事件は起きていますし、笑いもたくさんあります。だけど自分にとってはこの村田という男が非常に魅力的だったんです。映画が大好きな自分としては、俳優として苦労しながらも諦めずに夢を追いかけ映画を愛し続ける村田の姿勢に憧れました。こんなふうに自分も一生懸命になれたら…と思いますし、ここまで村田を夢中にさせる映画ってやっぱり素晴らしいと思いました。村田だけじゃなくて俳優さんを支えるスタッフの人たちもみんな撮影現場を大事にしているのがヒシヒシと伝わって素敵な気持ちになります。うん、映画最高♪


主演の佐藤浩市さんは素晴らしいです♪最高です♪以前に「スキヤキ~」を見た時に、とぼけた役も上手かったのでコメディだったら渋い見た目とのギャップが凄いだろうなぁ…っと思っていたのですが、予想以上にハマっておりました。
また佐藤さんが普通に演じたら絶対こんな演技はしないでしょ~と思うぐらいオーバーだったり、くさい演技をするんです。これが似合っててねぇ。ほんと1番佐藤さんが笑わせてくれましたよ。でも笑わせるだけじゃなくて、しっかり真面目な所を魅せてくれる。俳優としての誇り、映画に対する愛情。暑苦しい時もあるけど揺るぎなくてめちゃ格好良かったです。
妻夫木くんは胡散臭いねぇ。べとっとした髪型からして胡散臭い。だけどそんな妻夫木くんが結構好きなのです。真面目くんも爽やか青年もたくさん見てきましたから、変な妻夫木くんが見たいんです!なのでボスに殺されそうになってオドオド、マリさんに迫られてドキドキ、村田の暴走を止めようとパニック!になり、結局みんなに振り回されっぱなしの弱い男は凄く楽しめました。
深津絵里さんは、綺麗だけど正直もったいない感じがしましたね。佐藤さんや妻夫木くんと比べるとキャラは薄いし…ちょっと性格悪いよね(笑)だったらもっと女性としての強さを見せてもよかったんじゃないかなと思います。自分なら…なんやかんや言っても協力してくれる綾瀬はるかのほうが良いですしね。
西田敏行さんは一応渋いボスで怖そうですけど、デラ富樫がテーブルに座るとビックリして子犬みたいな目になるのが可笑しかったです。そしてデラ富樫に対するツッコミやちょっとした疑問について聞くタイミングが絶妙で上手いんですよ~同じ事を3回繰り返すシーンでは映画館っていうのを忘れるぐらい大声で笑ってしまいました。
この映画はもう一度映画館に行こうかなって思うぐらい楽しい映画です。是非映画館で!たくさんの人達と大笑いしながら見てほしいなと思いました。

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